小黒, 一正; 石田, 良 - Center for Intergenerational Studies, Institute of … - 2012
本稿では、勤労世代と引退世代との間の政治的な力関係により、将来の成長を促す政府投資(例:科学技術・研究開発)と公的年金の配分割合が変化する「世代重複モデル」を構築し、「余命投票方式 …」への移行可能性を分析している。その結果、次のことが明らかとなった。第1は人口動態が変化する状況の下での「選挙制度」の重要性である。少子高齢化が急速に進展する場合、政治的意思決定の時間視野が次第に短くなっていく可能性があるが、「現行の投票方式」から「余命投票方式 …」に移行できた場合、政治的意思決定の時間視野が長くなることから、政府投資割合は増加し、勤労世代や将来世代の効用が改善する可能性あることが分かった。第2は「余命投票方式への移行可能性」である。一定条件の下、「現行の投票方式」から「余命投票方式+地域別選挙区」や「余命投票方式 …