本稿では、南アジア農業の長期変動を、マクロおよびセミマクロ(県:district)レベルでの空間的特徴に注目して検討する。具体的には、農地利用集約度、食糧穀類に占める米・小麦作付比率、総作付面積に占める非食糧穀類作付比率、および主要穀類・豆類の作付パターンに着目し、1965年から1994年の県レベルのインド農業について分析を行った。分析結果からは、米作付の内陸へのシフト、UP州東部の西UP型化、メイズ産地の分散化、雑穀減少トレンドから外れる地域(オリッサ内陸部のシコクビエなど)の存在、ヒヨコマメ産地の南下など、既存研究に見られない空間的変化が明らかになった。また作付パターンの初期条件と降水量、農地利用集約度、農地灌漑率を用いて各県を似通ったグループに分類する作業を行った結果は、既存の地域区分と大きく異なる区分が得られた。この新たな区分の方が、州境や既存の農業地域区分よりも、作付パターン変化の県間差異に関する説明力が高い面がある。
Extent: | application/pdf |
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Series: | |
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Type of publication: | Book / Working Paper
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Language: | Japanese |
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Notes: | Number 19 58 pages long |
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